秘密の健太くん

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ところがその日、宇宙科学研究センターの暗い門が開いていたのである。 悦はその門が開いているのを、初めて見た。 門の中の駐車場なのか、搬入口なのかわからないが、そこに数人、上から下まで黒ずくめの人たちが、打ち合わせしているのか、立ち話をしているのが見えた。 悦は興味を持って、門の中を覗いた。 門を開けるということは、何か大きなものを、搬出するのか、搬入するに違いない。 悦は門の中に入って、ちょっと質問してみようと思ったのだ。 これまでに、こんなシチュエーションに出くわしたことがない悦は、訊けば教えてくれると思っていたのである。 ところが、一歩そこに足を踏み入れた途端に、肩を掴まれ、何と悦は、拘束されてしまったのである。
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