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あの親に助けてもらうなんて、考えられない。
子供というのは、何とも煩わしいことだ。
ただ悦は、好奇心を抱いただけだというのに。
普段、学校の先生たちは、好奇心を大事にしろとか言うくせに、学校の先生のような人ばかりではないことを、悦は身に沁みて理解した。
「主任‥‥」
男はそう言って、違う男が入って来た。
「ここはもういい、警備に当たれ」
「はい」
最初の男は出て行った。
警備主任は、しばらくパイプ椅子に座って、俯く悦を眺めていた。
「この中を見学したいなら、ちゃんと申し込みしなくちゃダメじゃないか」
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