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警備主任は、笑って悦に言った。
この声と、この笑い方‥‥。
「えっ?‥‥健太くん‥‥」
ここの警備主任は、健太くんだったのである。
「帰るか?」
「うん‥‥」
中学三年生にもなって、悦は泣いた。
怖かったのと、健太くんに会えたことが一緒になって、悦の感情を揺さぶったのだ。
健太くんに色々訊きたかったことはあったけれども、悦は何も訊かなかった。
あの親の反応を見れば、訊かない方がいいだろうと悦は思ったのだ。
人生には、色々あるんだ。
こうして元気でいてくれただけで、悦は嬉しかった。
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