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その日、悦は家に帰ると、興奮して、使ってなかった大きな水槽に、たっぷり持って帰って来たおが屑を敷いて、その中に幼虫を埋め、小さな穴を作って、そこに蛹を入れ、また健太くんのアドバイスで持って帰って来た木の枝などを置いて、そこに残りの採集してきた昆虫を全部入れた。
なんてわくわくする飼育だろうか。
まるでそこは、小さな昆虫の世界のようで、悦は瞳をキラキラと輝かせて、いつまでもそれを眺めていた。
近所の子供が遊びに来て、それを見た時の驚き様ったら、悦は天にも昇る心地になった。
健太くんは、悦の秘密である。
健太くんは、どうすれば悦が幸せになるのか、何でも知っていて、悦が何かに悩んでいれば、どうすればそれらが解決するのか、よくわかっていた。
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