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老婆の前に足早に二人の子供が駆けてくる…
老婆は二人を見て優しく微笑む
「どうしたのじゃ?まだ夕飯には、早いぞ」
子供たちは目を輝かせ答える
「違うよ!!婆ちゃん!勇者の話をして!!」
老婆はあきれたような、それでいて包み込むような優しい笑みで答えた
「本当にあきないねぇ…もう何度目かのう」
子供たちはまだ目を輝かしている
「何度聞いたってあきないよ!」
老婆はゆっくりと立ち上がり窓に目を向ける
その瞳は懐かしいような寂しいような複雑な色を宿していた
「いいじゃろう…さぁさぁお座り」
子供たちは暖炉の前に座りお気に入りのおやつとミルクを用意する
そして老婆は語りだす…
「この物語は…はるか昔…そう、数えきれないくらいの昔…今ではもう誰も覚えていない…だが確かにあった勇者の物語…
勇者ゲボ⁼ルグとその弟の魔剣士ニョーデルン、二人を助けた魔導士の兄妹
ボル・ニャとバーン・ニャの悲しき物語…」
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