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プロローグ
人の心は弱く脆い。
それを証明するかのように近未来で魔女狩りが始まった。
ほとんどの政治家の汚職が暴露され、人々は誰を信じればいいのかわからなくなった。
政治不安で荒んだ世の中で人々は、誰かを慈しみ信じる心を次第に失っていった。
魔女狩りで失われていく命は無差別に見えて、命を奪われる者と奪われない者にわかれた。
誰かを殺しても罪の意識はなかった。
なぜなら、人々のことを一番に考えるはずの政治家が自分のことしか考えていなかったからだった。
だとしたら、自分のために人を殺しても許されるはず…。
そんな間違った正義を生んだ。
人々の心は壊れていった。
それが誰だろうと。
どんな人間だろうと。
生きる権利はあるはずなのに…。
その権利さえも病んだ人々は奪っていった。
そんな状況でも、自分の良心に従って人を助けようとした者は殺されていった。
魔女狩りは世の中を地獄へと変えていく。
たくさんの血と涙が流れ続けた。
やがて心ある者が事態を終息する、その時まで…その悲劇は続いた。
魔女狩りで、たくさんの血と涙が流れ、人々は何が大切か知ったはずだったのに…。
その事件は起こってしまった。
どんなことをしても、大切なものを守りたい。
それは間違った正義となり、悪夢が今繰り返される。
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