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家に着いてキッチンへ行き冷蔵庫からミネラルウォーターを出す。それを持ってリビングへ行くとお父さんが日本酒を飲んでいた。
「おお、お帰り。彼氏と飲んで来たのか。金曜日だもんな」
「うん。彼氏の会社、新人が入ったんだって。私の会社も入ればいいな。忙しくて」
「山岡さんに言うんだな。設計士を一人とCADオペレーターを入れればだいぶ楽になるんじゃないか?」
美代はお父さんと仲がいいのでなんでも喋る。お母さんとも仲が悪いわけではないが、お酒を飲まないので酔っ払い同士の会話には入って来ない。
「月曜日に言ってみよっと」
美代はミネラルウォーターを飲んで洗面所へ行った。洋服を脱いで浴室へ入る。メイク落としで顔を洗った。それから髪を洗う。肩までのストレートヘアはパーマもかけてないし染めてもいない。だから高いトリートメントを使わなくても十分だ。
冬は湯舟に浸かるのだが暑い日は今日みたいにシャワーで済ませてしまう。美代は体を洗った。
二階にあがって自分の部屋のベッドに倒れ込む。そのまま酔いのせいか寝てしまった。気が付くとまた夢を見ていた。公園で遊んでいた。美代は小山内くんとブランコに乗っていた。外灯がいくつも点いていて明るい。
「美代ちゃん、仕事が大変なの?」
小山内くんが大きな声で言う。
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