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美代は鉄の棒を握って足を掛けた。小さいときは大きく見えていたのだが大人の今になって登ると小さくて逆に大変だ。小山内くんは慣れているのかすいすいジャングルジムを登って頂上についた。
「あー、負けちゃった」
「この競争は美代ちゃんが勝ったことがないだろ」
「そうだったっけ」
「うん、ねえ、また遊んでくれる?」
美代は笑顔になって頷いた
「いいよ。でも私は大人になっちゃったし楽しい?」
「美代ちゃんは美代ちゃんだもん」
そこで目が覚めた。時計を見ると二時半。体がやたらと怠い。飲んだせいではないだろう。今まで夜中に起きてこんなに疲れていたことはなかった。美代は首を傾げてもう一度寝た。夢はもう見なかった。
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