小山内くん

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 一階へ降りてビルを出る。コンビニは通り沿いに歩いてすぐだ。美代は言われたものと自分用に幕の内弁当を選んだ。レジに行ってお会計をする。  会社に戻ると営業の二人も帰って来ていた。美代は「お疲れ様です」と挨拶をする。 「聞いたよ。美代ちゃん、霊感があったんだって」 「やだ、山岡さんに聞いたんですか?」 「いや、紀香ちゃんだ」  紀香の席は美代の隣で山岡の前だ。話を聞いて営業の人に話したんだろう。 「小さいときに幽霊の友達がいたんです。小山内くんっていって全然怖くありませんでした。でも膝から下は無かったし、ドアなんか開けずに通り抜けるんで完全に幽霊でした」  美代はそう言いながらコンビニで買って来たお弁当を出した。紀香にはミートソーススパゲティを絵梨には冷やし中華をデスクの上に置いた。  事務所を出た右側の給湯室で冷蔵庫からお茶を出してデスクに戻りお昼を食べ始める。営業の二人は牛丼を買って来たようだ。先に食べ始めた山岡が食べ終わった。 「少し寝るよ。お喋りしててもいいからね」  美代は頷いた。昨日は締め切りで午前二時まで仕事をやった。だからみんな眠いのだろう。美代も食べ終わったら十五分くらい寝ようと思った。
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