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生中で乾杯をする。美代は勢いよく飲むとジョッキの三分の一くらいビールが減った。
「今週はなにかあった?僕のほうは新人が入って来たよ。大学を出て就職をしたんだけど、就職先が神奈川県だったから通勤で往復二時間半がつらかったらしい。親が病弱で一人暮らしはしたくないそうなんだ」
「へえ。新人が来たなら楽になるじゃない。私なんか今週は二日も午前様、今日は昼寝をしたら一時を過ぎても寝てたの。不思議な夢を見たよ」
「不思議な夢?いったいどんな?」
美代はどこから話そうか考えた。山岡と幽霊を信じるか話をしたところからのほうがいいだろう。そう思ったときキャベツサラダと焼き鳥が来た。美代は「いただきます」と言ってレバー串を食べた。
「幽霊を信じるか信じないか上司と話してたの」
「そうか、それで怖い夢を見たんだな」
「ううん、私が小さいときに友達だった幽霊の男の子が出て来たの。覚えていてくれてありがとうって」
俊太は眉を上げて、目を見開いた。
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