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第1話
兄の大志(たいし)が経営しているホストクラブでスタッフとして働いている弟の一真(かずま)は大志のことが大好き。
そんな一真が突然、行方不明になる。
大志はホストクラブを他のスタッフに任せ1日中、一真を探し歩いた。
「どこに行ったんだ一真」
探し疲れた大志は誰も居ない暗い公園の中を歩きベンチに座るとスマホを掴み電話をかけた。
「出ないか」
スマホを切りベンチから立ち上がったその時、大志の目の前に空間が現れた。
「……」
じっと見つめていると突然、大志は空間の中に吸い込まれスマホを地面に落とすと空間は消えた。
「うあああー」
叫びながら空間の中から出ると大志は草畑にうつ伏せで倒れた。
それから暫くして大志は目を覚まし身体を起こすと驚き立ち上がった。
「夜なのに朝になってる…それにここはどこだ?」
1面、草畑に大志は驚いた。
「もしかして君、一真のお兄さん」
「……」
話しかけられ振り返った大志は猫耳と白と茶と黒の尻尾が生えた白と茶と黒のロング服姿の人間に驚いた。
「猫人間…」
「答えて、あなたは一真のお兄さん?」
「はい、一真の兄です」
「一真は俺の家に居ます、ついてきてください」
そう言って猫人間が歩き出すと大志は猫人間についていった。
その頃、一真は外で他の猫人間達と一緒にご飯を作っていた。
そこへ大志を連れて猫人間が現れた。
「一真!」
「お兄ちゃん」
手を止め一真は大志に近づき抱きついた。
「無事で良かった」
「心配かけてゴメン」
「さぁ、帰ろう」
そう言って大志が一真を離れさせ行こうとしたその時、一真が口を開いた。
「俺は帰らない」
「どうして」
「この国を助けないと」
「何、言ってんだ」
「この国にある猫の目が刻まれた水晶を狙う者達が居るんだ、そいつらから水晶を守らないと」
「お前に何が出きるんだ、命を失うぞ」
「お兄ちゃんは帰って良いよ、俺は残るから」
「一真」
「ミー、大変だ、海賊がやって来た」
「海賊?」
驚いた口調で大志が口にしたその時、ボスらしき男が仲間を連れて近づいてきた。
「ミー、今日こそ猫の目が刻まれた水晶を渡してもらうぞ」
「猫の目が刻まれた水晶はこの国にとって大事なものだ、海賊に渡すわけにはいかない」
「力ずくで奪うしかないか、お前達、行け」
ボスの合図と共に仲間の海賊達は一真と猫人間達の元に向かっていった。
「一真、逃げるぞ」
「俺は戦う」
そう言って一真は棒を持って猫人間と共に海賊と戦い始めた。
「一真…」
心配そうに大志が見つめていると海賊のボスが大志に築きミーに向かって口を開いた。
「ミー、人間に助けを求めるとはな」
「この人は弟さんを探しに来たんだ、俺が呼んだ訳じゃない」
「一真!」
倒れる一真を助けようと大志は落ちている棒を掴み海賊に戦いを挑んだ。
「ここから出ていけ」
「……」
大志の攻撃を交わしながら海賊は棒を掴み取りあげると大志を蹴り倒した。
「こんなもので海賊に勝てるわけないだろ」
そう言って海賊が棒を投げ捨てナイフを大志に突きつけると一真が「お兄ちゃん!」と叫んだ。
ボスから目線を大志に向けるとミーは「大志!」と言って手に力を込め光の光線を海賊に放ち倒した。
ミーの姿を見て笑みを浮かべると「帰るぞ」と言ってボスは仲間の海賊を連れてその場を離れていった。
「お兄ちゃん!」
心配そうな顔で一真が近づくと大志は立ち上がり「大丈夫だ」と答えた。
その言葉を聞いてミーは大志に近づき口を開いた。
「何が大丈夫だ、足を怪我してるじゃないか」
「たいしたことないさ」
「バイ菌が入るといけないから手当てをしょう」
そう言って大志をお姫様抱っこするとミーは一真と仲間の猫人間に見られながら歩きマタタビ畑に向かった。
その後、ミーはマタタビ畑で大志を座らせ足の怪我の治療を始めた。
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