ギゼンニンゲン

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ギゼンニンゲン

「天使のくせに悪魔みたいだな」 チャーチチェアに行儀悪く座る天使に向かって言った。 んー?と天使はニヤニヤ笑みを浮かべる。 「やって心ないじゃんか天使って、偽善者ぶったことを台本通りに言っとるだけじゃん?きしょ過ぎるってそんなの」 ゆらりと白い翼を大きく開き、天使は飛んだ。 「その割に良いことあったらみんな天使や神様に有り難るからねー株がどんどん上がってくるカラクリ。災害起こしとんのも俺らなのにさ」 自由に宙を舞いながら俺の方に近づいてくる。 「悪魔が可哀想になってくるなぁ…ま、俺は関係ないから別にいいんだけど」 そして地に足がつき、俺の耳元でこう囁いた。 「天国では俺行儀良い子ちゃんだからさ、堕天使に成るなんてダサいことは死んでもしないよ」 そうケラケラ嗤うこいつが一番人間らしいと思った。
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