満月の日

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「あまりにも時間がなくて、名残惜しい、ね。君もそう思ってくれていたら嬉しい」 アルがそう言ってあたしの赤くて長い髪に触れる。 「これが運命だと言うのなら……また会えるのよね?」 あたしの言葉に、アルは無言で頷いた。そしてもう一度あたしの唇に触れ、あたしが目をつぶっているその間に、ふっと姿を消してしまっていた。
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