点と線

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ちょっと恥ずかしかったからつい小声になってしまう。 あたしがさっき地下牢から出られたのは、誓いなのか、その後の行為なのか、どっちかだと思うんだけど。 「まあ、そうでしょうね」 「当然みたいに言わないで」 「殿下を夫として受け入れたんですよね?」 「……ま、まあ……」 「でしたら、太陽神の加護が……」 「……」 えー……。 もしかして、加護って……夫婦の営み的なことで相手の加護の力が付いたりするわけ……?  やだー……なんか、恥ずかしすぎないかしらその仕様……。 「ですから、王家は比較的近親婚が続いた時期があるんですよ」 「こっわ」 「殿下の方も、あなたの加護が加わって凶悪な能力が備わっているはずです」 「凶悪って言わないで」 あたしの加護をなんだと思ってるのかしら。失礼ね。 「月の女神の加護がある方は、能力が高いと有名なんですよ」 「……そうなの?」 「現にあなたは、13歳で世界的な発明家になっている。充分な証拠でしょう」 もしかして、アルはそれで……。 「ノーヴァ、ついでに教えて欲しいんだけど。アルは月の女神の加護持ちとして、あたしを探していたの?」 あたしはその質問をしながら、いよいよ城門が見えてきたことに緊張していた。 こんなタイミングでする話じゃなかったけど、気になって仕方がない。 「勿論、最初はそれで花嫁様にご興味を持たれたのは違いありません。その後は、普通に恋に落ちられたのだと」 「そっか。じゃあ……あたし、加護持ちで良かったわね」 城門の衛兵は、ノーヴァが外に出るのを許すはずがない。 さあ、ここを突破するのはどうしたものかしら。 あと、ノーヴァ、自分の姿はなんで変えないわけ?  あたしは覚悟して精霊銃を構えたけど、ノーヴァがその銃口を手で押さえた。 「お任せください」
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