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ノーヴァは一言だけそう言うと、そこにいた衛兵たちに何かの術をかけたのか、一瞬で気を失わせてしまう。
衛兵たちはその場で倒れ込んでいた。
「花嫁様がそうおっしゃるのであれば、私はあなたに従いましょう。今からあなたは、私の主人です」
「えっ、何が? っていうか、今迄はどういうスタンスだったわけ?」
「あなたが花嫁様で良かったと、初めて思った次第です」
ノーヴァはそう言って、美しいグレーの長髪を揺らしながらあたしの前をすたすたと歩いて城門を突破した。
あたしは、ノーヴァが先に行ったのを見ながら、気を失っていた衛兵の腰から精霊銃を拝借して追いかける。
「花嫁様……既に精霊銃をお持ちでは……」
「二つあれば二丁拳銃よ」
あたしが当たり前のように言うと、ノーヴァは言葉を失っていた。
あのさあ、あたしが精霊銃を使う時って衝撃が来ないわけ。つまり二丁拳銃でも全く力が要らないんだから普通でしょ?
「攻撃力が上がったわね」
あたしがそう言って衛兵の姿のまま城門の外に出ると、「攻撃力は既に充分です」とノーヴァは呆れて呟いていた。
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