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世間様の目が痛い。ああ、地面になりたい。
「……聴いてる?」
「あっはい、聴いてます、」
聴いてない、もとい、聴けない。顔だけじゃなくて声までイケメンとかなんなん。心地よすぎて気を抜くと何言ってるか分かんなくなる。
慌てて返事をすれば、傘を持ってくれているイケメン――……翡翠くんは、ははっと笑う。
「紗希ちゃん、敬語じゃなくていいってさっき言ったじゃん」
「あ、えと、うん、」
駅から歩きながら互いに自己紹介をしたら、同い年だということが判明した。同じ年に生まれたのにこんなに違うなんて神様は意地悪だ。
「あとさ、実は同じ大学なんだけど、」
「え!」
驚いた。うちの大学にこんなイケメンがいたなんて。
「知らないよね」
はは、としょんぼりしながら笑う彼に、すこしだけ罪悪感がこみあげる。
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