<7月21日>キスの喜びに震える

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<7月21日>キスの喜びに震える

☆七海☆千宙と過ごした二日間は、あっという間に過ぎた。昨夜というか今朝というか、彼とのキスは私に新たな感覚をもたらした。頭の中がとろけるような感覚と、お腹の下の方がキュンとなって下半身の力が抜けていた。彼がキスの仕方を教えてくれて、誰といつどこで習得したのかが少し気になったが、上手にリードしてくれた。いつも私には遠慮がちな彼だが、眠っている(すき)に胸を触ってきたので、私はそのまま眠った振りをして、彼の思うようにさせていた。キャミソールの上からだったが、やさしく()まれている内に声が出そうになるのを必死で耐えていた。男の人に触られるのは初めてで、身も心も震えるような感覚だった。  朝食の時、キスのし過ぎで唇がはれていて隠していたが、弟にはばれていたようだ。「姉ちゃんたち、何かあったの?」と()かれ、顔が紅潮しているのが分かった。朝食の後は、彼を誘って二人で海に出掛けた。中学の時にプールでデートした時には、恥ずかしくて手をつなぐのがやっとだったが、今は日焼け止めクリームを背中に塗ってくれる彼の手が愛しかった。くすぐったいというよりも、こそばゆいという言葉がふさわしかった。私は千宙君から千宙と呼ぶようになっていた。  楽しい時間は(またた)く間に過ぎ、千宙を見送らなければならなかった。一度家に帰ると弟は出掛けていて、これ幸いと彼を部屋に連れて行き抱き合った。日にやけたためだけでなく、二人の体は熱く火照っていた。このまま彼が求めてきたら、私はためらう事なく彼を受け入れていただろうが、彼はあくまでも冷静だった。今朝のように胸に触ってくる事もなく、ただキスを繰り返すだけだった。紳士的な態度にやきもきしたが、それが彼の美点でもあり難点でもあると改めて思った。☆☆☆  海に来た二人は、昨夜のキスをきっかけに大胆になり、海の中でたわむれ、砂浜では人目もはばからずにイチャイチャしていた。 ★千宙★七海の水着姿は中学の時以来で、あの頃はやせっぽっちで胸は扁平(へんぺい)だったが、ただスタイルは良かった。今日の彼女は別人のようで、おっぱいは大きく成長し、ウエストのくびれは美しくてヒップのボリュームも見事だった。まともに見るのが恥ずかしくて目を反らしていたが、背中にクリームを塗ってくれと頼まれて触った素肌は滑々(すべすべ)で心地良かった。海の中で抱き付いたり、砂浜でじゃれ合ったりして楽しんだが、この体を裸にしてセックスしたいという欲望を(おさ)え込んでいた。★★★  海水浴から家に帰った二人は、誰に遠慮もなく熱を帯びた体を寄せ合った。七海は千宙の背中に手を(まわ)し、自分からキスをせがんだ。彼はその先に進みたいのを理性でこらえ、彼女は抱かれたいという思いを胸の内に留めていた。 ★千宙★七海をこのまま押し倒しても、彼女は嫌だと言わないだろう。しかし、成り行きでセックスするのは気が引け、彼女を大事にしたいと思った。初めてキスをしたのが今日で、もっと七海とキスを楽しみたかった。おっぱいにも触ったが、これから時間を掛けて、一つひとつ段階を踏んで彼女を知りたいし、俺の手で開発していきたいと思っていた。★★★  静岡駅で千宙を見送り、寂しさに耐えられなくなった七海は、家に帰って東京へ戻ると両親に告げて準備をした。弟の寿朗は口裏合わせに協力的で、自分の友だちが泊まりに来たと両親に告げていた。
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