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宇宙人親子が会話を交わしていた頃、地球では……
「お母さん、雨だよぉ!」
「ボク、傘持って行かなかったの?」
「今日はずうっと晴れって聞いたのに、いきなり降ってきたんだ」
「天気予報が外れるなんて、いやあねぇ」
「空はすっごく晴れてるのにね」
「そうかしら、大きな影みたいな雲がうっすらと見えるけど」
「最近、変な天気ばっかし続く気がするなあ」
「そうねえ、やっぱり地球温暖化のせいなのかもしれないわね」
「お母さん、温暖化っていつになったら良くなるの?」
「さあ、いつかは良くなるんじゃない?」
「でも、毎年毎年、暑くなっていくばっかりだよ」
「地表の熱がこもる一方なのね」
「どうしよう」
「温暖化対策が報われるまで、もう少し待たないとね」
「あとどのくらい待つの?」
「そうねえ、
あと100年ぐらいかしらね」
「温度が下がってるといいね」
そう言うと、地球人の親子は夕立の空を見上げて重いため息をついた。
その雨は粘り気があり、人々の身体に絡みつくように降り続けた。
(了)
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