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太陽の日差しが顔にかかる。僕は眩しさのあまり目を覚ました。
上を見上げると、雲一つない青い空、さんさんと光る太陽があります。
この空を見て、もうお昼前だと確信し、顔を洗いに川に向かいます。
しかし、颯爽と走ろうとしたら、背中に何かが付いているような違和感があり、しかも、そのせいか、いつもより早く走れません。
(どうしてだろう。)と疑問に思いながら僕は草むらを掻い潜り、川に着きました。
顔を洗うために水面に手を付けようとすると、僕は、目をギョっと見開きました。
なぜなら、目の前にある信じられない光景を目にしたからです。
水面の中の僕の背中に鷹のような大きな翼らしきものが見えました。
目を凝らしても、水の中の翼みたいなものと僕の顔がユラユラとしています。
驚きのあまり、(えっ。)と口を開く僕。
そのもやもやした頭をクールダウンするため、手に水を付け自分の顔に当てます。
すると、頭の中にこのようなことが浮かびました。
「これは夢だ。まだ寝ぼけているのだ。」と。
このような答えを言い聞かせ、僕は水面に顔を何度もつけ顔を洗い始めました。
顔を洗った後、目をこすり、もう一度、水面を見ます。
やっぱり僕の背中には鷹のような翼が生えていました。
これは…夢ではない…?
恐る恐る肩に力を入れると、翼はゆっくりふわふわと上下に動いています。
夢ではなく本当に僕の背中には翼が生えていたのです。
もしかして…僕、翼があるから空を飛べる…?
僕は、手と足と背中に力を入れて、川を超えるようにジャンプしました。
しかし
ヒュー、バッシャーン!
鳥のように軽い体重ではなかったからか、僕は、川に向かって垂直に落ちていきました。
幸いにも川が浅かく流れもゆっくりだったので、僕はあわてて岸に捕まり、上がります。
死ぬかと思った…と荒い息づかいでへたり込んだあと、毛皮に水滴を取ろうと体をブルンっと動かします。
水滴を落としていくうちに、僕の頭に疑問が浮かびました。
起きてから続いていた違和感が無くなっていたからです。
僕は慌てて、川の水面に顔を浮かべます。
それを見て、僕は驚きのあまり、声が出ました。
後ろの翼が無くなっていたからです。
僕は前を向くと、翼は水に少しずつじわじわと沈みながらゆっくり左に進んでいます。
なんと、僕に着いた大きな翼が川に流されていました。
僕は狐につままれたように、これをじーっと見つめていました。
おわり
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