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『Pi Pi Pi Pi』
目覚ましの音に、気怠い身体を起こして目覚ましを止め、俺は青くなった。
「うわぁーー!試験勉強してねぇ!!」
俺を抱き締めて眠る那智を蹴落とし、俺はシャワーへと走る。
制服を着て家を飛び出そうとすると
「雄也、朝飯は?」
あくびをしながら、那智が裸エプロンでキッチンに立った。
「要らない!早く行って、勉強する!!」
家を飛び出そうとして
「あ!那智、忘れ物!!」
そう叫んで玄関のドアを閉めた。
「え?何?取ってこようか?」
と近付いて来た那智の腕を引き寄せて、唇を奪う。
那智は一瞬驚いた顔をしたけど、直ぐに俺を抱き締めて舌を差し込んできた。
玄関で貪るようなキスを交わし、俺は裸エプロンの那智の臀を揉みながら
「ねぇ、試験で赤点取らなかったら、今度は那智を抱かせてよ」
そう囁く。
那智は小さく笑うと
「はぁ?まぁ、100位以内に入ったら考えてやるよ」
と答えて、俺の鼻を摘んだ。
「今の言葉、忘れんなよ!」
「はいはい」
軽く返事をした那智は、この後、後悔する事になるなんて、この時はまだ知らない。[完]
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