那智との出会い

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那智との出会い

俺、矢澤雄也と伊澤那智は、小学校時代からの顔見知りだった。 那智は地元では有名なサッカー選手で、2年連続で得点王を取るほどの実力があり、将来を有望視されていた。 俺もご多分にもれず、ガキの頃は那智に尊敬の念を抱いていたし憧れだった。 しかし、高校最後の試合中に相手のタックルを膝に受け、大怪我をしてサッカーが出来なくなってしまったのだ。 軽い遊び程度には出来ても、スポーツ選手としての選手生命を絶たれた那智はかなり荒れていた。 女遊びが激しくなり、生活も派手になって行った。そんな那智が、俺達小学生のサッカーをみてくれるようになったのは、俺が小学5年生になった頃からだったと記憶している。 那智はいたく俺の事がお気に入りで、やたらとスキンシップの多いヤツで最初は苦手だった。 「触るなや!」 やたら抱き着く那智を睨むと、那智は決まって 「可愛なぁ〜!!雄也」 そう言っては、嬉しそうに笑って何をされても言われてもお構い無しだった。 飄々としていて、何を考えているのか分からない那智。 それでも、時々那智が見せる寂しげな横顔をみると切なくなった。 俺が中学に上がると、何故か那智がその学校のサッカー部のコーチだった。 変わらないスキンシップの多さだったが、ある日を境に変化したのだ。 人気の無い部室。 遅くまで自主練していた俺が着替えていると、那智が背後から抱き着き、俺の胸や身体を撫で回したのだ。 「止めろ!キモイ!!」 最初は抵抗していたものの、性に興味が出る年齢だった事もあり 「矢澤、キモチイイ事してあげる」 そう言われて、初めて人の手と口でイかされた相手が那智だった。 最初は触れるだけのキスから、舌を入れられて下半身を扱かれる快楽を身体に覚えさせられた。 段々と那智の行動は大胆になっていき、那智が自分のモノと俺のモノを重ねて扱き、キスをしながらお互いのモノを擦り合うようになるにはそんなに時間が掛からなかった。 那智は、ゆっくり真綿で首を絞めるように俺の身体を侵食していった。 そんな日々が続いたある日、俺にも彼女ってヤツが出来た。 柔らかくて良い匂いのする彼女に俺はすっかり夢中になって、那智との関係を終わりにしたかった。「もう、こんな事は止めよう」と話すと、反対や抵抗するかと思ったがあっさり俺から離れて行った。 初めての彼女に浮かれていた俺は、ある日、彼女と那智がSEXしている現場に鉢合わせてしまう。 那智に抱かれて「あんあん」と声を上げる彼女が気持ち悪かった。 あんなに魅力的だった彼女が、那智の上に跨り腰を振っている姿が許せなかった。 俺だけじゃなく、那智にまで身体を開く彼女が急に汚く見えた。 その結果、俺はEDになってしまったんだ。 その彼女と別れた頃、那智も忽然と俺の前から姿を消した。 残りの中学生活は、サッカーだけで生きると決めていた。 告白されても、全て断ってサッカーに没頭するようになっていた。 そんな俺に、サッカーの名門校からサッカー推薦の話が舞い込んで来た。 喜んで快諾した俺は、当時はまだコーチだった那智と高校の部活で再会した。 那智は何も知らなかったみたいで、俺の姿を見て驚いていたっけ……。 そして再会した俺は、那智のせいでEDになったと罵倒した。 そんな俺に 「俺が矢澤のEDを治して上げるよ」 そう言われて、俺は初めて那智に抱かれたんだ。 前立腺がどうとかこうとか言いながら、那智に咥えられて後ろを弄られすぐにギンギンになった俺を、那智は遠慮なく抱き潰した。 「矢澤、お前はもう女は無理だ。諦めろ」 そう言われて、ハンマーで殴られた気分になったのを、今でもはっきり覚えてる。 でも実際、那智とのSEXは気持ち良くて、俺は寮に入らずに那智の家に転がり込んだ。 それからはもう、バカみたいに毎日、毎日ヤリまくって快楽に溺れた。 那智はSEXが上手くて、ガキで馬鹿な俺は那智との関係にどんどんハマって行った。 部活でヘロヘロなのに、マッサージを受けながらそのままSEXに流れる一連の流れが当たり前になって、いつしか那智が俺を「雄也」と呼び、俺も「那智」と呼ぶようになっていた。
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