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「あ〜れ〜?喧嘩?」
一触即発の空気が流れる中、那智がカモフラージュで用意した俺の部屋から、那智とラブホから出て来た美女が緊張感の無い声を出しながら現れた。
「姉貴!帰らなかったのかよ!」
那智の声に、美女と那智の顔を交互に見た。
「え?姉貴?」
そう呟いて、美女の顔を良く見たら……
「あ!あ!伊澤紗那!!」
と、俺は思わず叫んでしまった。
そう、見間違える筈が無い。
俺が中学時代からずっと大ファンだったグラビアモデル、伊澤紗那が目の前に立っている。
え?ちょっと待てよ!伊澤紗那が……那智のお姉ちゃん?
突然の事に大パニックになり、驚いて2人を何度も交互に見ていると
「だから嫌だったんだよ!」
と那智が頭を抱えた。
伊澤紗那は俺の顔を見ると、真っ赤な顔で口をパクパクさせている俺に
「あら?きみ、私を知ってるの?」
と、想像よりも低い色っぽい声が耳に届く。
写真で見るよりかなり美人な生の伊澤紗那が、下着姿で俺の目の前に立っている。
ヤバい……、すっげぇスタイルに匂い立つ色気。
漆黒のサラサラな髪の毛。
透き通るような白い肌に、長い手足。
出る所は出ているのに、細いウエスト。
雑誌で見るよりもずっと綺麗で、ずっと妖艶な伊澤紗那にぽぉ〜と見蕩れていると、那智が俺の前に顔を出した。
「おい!何見蕩れてるんだよ!」
目を据わらせた那智が叫ぶと、伊澤紗那がそんな那智を退かして俺に近付いて来た。
目の前にずっと憧れていた伊澤紗那が、ノーブラの薄地の下着姿で近付いて来る。
バクバクと高鳴る心臓。
ヤバい……鼻血が出そう。
「きみが那智の?」
憧れの人が目の前に居て、フワリと甘い香りが鼻腔を掠める。
しかも、目の前には豊満なおっぱいが……。
ジッと見つめられ、全身の血が沸騰したようになる。
……もう、限界。
憧れの伊澤紗那を前に、俺は鼻血を垂らした状態で気を失ってしまったのだ。
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