643人が本棚に入れています
本棚に追加
/280ページ
逆に神薙さんがそう感じると言うことは、やっぱり二人が大事にしていた証拠だし、見守っていてくれているようで嬉しい。
「そうだったか……悪い。気に障ったなら謝る」
神薙さんは今までの威勢を失い、バツが悪いような顔をする。そこまで僕は気にしていないが、こちらも答えてもらわなければならない!
「さぁ! 神薙さん、僕は全部言いました! 今度はあなたの番です!」
僕は大きく鼻息を鳴らした――
神薙さんは観念し、自身の隣をポンポンと叩いた。
「わかったよ……じゃあここ座れ」
僕はそれに従い座る。
「お前、神薙家って知ってるか」
「神薙さんの御家族? いえ……有名なんですか」
「じゃあ、陰陽師、この名前は聞いたことがあるか」
なんだって……?
「俺は陰陽師、安倍家の血を引き継ぐ子孫だ」
「へ……っ?」
「ああああ……くそっ! 言うのも恥ずかしい。今時、陰陽師だって言うのも言いたくねぇ……」
神薙さんは顔を真っ赤にして、頭を抱えていた。
可愛い――
か、かっかわいい!? 何を僕は思ってるんだ。
最初のコメントを投稿しよう!