【序章】

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 あなたは想像できるだろうか。  今まで当然のように籍を置いて生きてきた世界とはまるで違う。魑魅魍魎が蠢くうごめく常世の世界を。    人間とは浅はかな生き物だ。自分たちが歴史上でちっぽけな存在だったことを忘れてしまっている。  常世――  その世界は今も昔も変わらず、すぐそこに在る。僕らがそれに触れるのを待っている。 「気をつけて」  一歩でもその世界へと足を踏み入れようものなら、常世の住人は決して見逃してはくれない。  僕は、その最悪な結果を知っている人間として、あなたに忠告します。  「あちらの存在に近づくな……と」
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