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「はっ裸……見たんですか!」
「は?」
神薙さんはまたしても気の抜けた声を上げた。
「見たかと聞いているんです!」
「ああ……見た。何だ急に、着替えさせるんだそりゃ見るだろ。大体、お前は細すぎる。ちゃんと食え」
一気に耳が熱くなるのが分かる。
そそそうだ、男なのに裸見られたくらいで、恥ずかしがるな喜一茉理。
「ごほん! えーっと? 何者とか漬物とか僕は知りません。僕だって知りたいですよそんなこと!言っときますけど僕だって被害者なんですからね! しかもこのペンダントとピアスは、死んだお父さんとお母さんが着けていた形見です。神薙さんが何か感じるって言うのなら、多分それは二人が肌身離さず身に着けていた物を、僕が受け継いで大事にしているからですかね。それか念的な何かじゃないです?」
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