Prolog

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Prolog

『「んっ……」  私の口から堪えきれない声が漏れる。  軽くベッドがきしむ音がして彼の繊細な指が私に触れるのを感じた。  とても恥ずかしいはずなのにその指が触れて、その目に見られていると、下肢からとろりと熱いものが零れ落ちるのを感じる。 「や……恥ずか……しい」  くすりと耳元で笑う声は甘くて熱さを孕んでいた。 「こんなにしてるのに?」  見られている部分が熱くて蕩けそう。  彼の指がゆっくりと私の中を探る。そしてその一点を見つけるのだ。 「ここ……? かな」 「んっ……あ、そこ……ダメっ」 「そう? でも君の身体はそう言ってない」  指がそっと抜かれて、彼の太いものがゆっくりと』 「入ってくるのを感じた……っと」  小島陽菜乃(こじまひなの)はパソコンの前で大きく伸びをしてポン!と保存ボタンを押した。 「今日はここまでにするかあ……」  陽菜乃はウェブで小説を書いている。無料で閲覧できる小説投稿サイトに登録していて、日々更新しているのだ。  ジャンルはTL。いわゆるティーンズ・ラブと呼ばれるジャンルである。 『ティーンズラブとは、女性を対象としたジャンルで、ティーン向けに見える人物設定でありながら、成人向けのような具体的かつ直接的な性的表現が物語の中で展開される創作物を指す』とウェブには説明がある。  要するにエッチ描写ありの少女漫画展開の小説、ということだ。
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