俺と言う存在

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ズズッズズッ 見るとアフロのゆかっちが鼻をすすりしきりに目頭を押さえ泣いている。 まさか泣くとは思わなかった俺は慌てた。 「あ・・すみません」 「いいの・・謝らないで。そうよね。大変よね。私も親にカミングアウトするまで本当大変だったわ。分かるわぁ~。ズズズズッ」 盛大に鼻をすする。泣き上戸なのだろうか。 「でもね。もう我慢する事ないわ」 顔を振り髪を片方に全て持って行ったカズが優しい笑顔を見せながら言った。 「いい?人が何を言おうと自分は自分なの。自分の人生じゃない?自分の思うように生きればいいの。変だという人がいれば言わせておけばいい。好奇の目で見る人がいれば、逆に見せてやればいいのよ。私達は何もおかしくない。自分の気持ちに正直に生きているだけ。ね?そうでしょ?」 また逆の方向に首を傾ける。そんなに首を傾けてばかりいて首を痛めないのだろうか。 しかし、その言葉を聞いた俺はようやく安住の地を見つけたと感じ感激していた。 「よろしくお願いします」 俺は心からそう言うと深々と頭を下げた。 そんな俺に二人は、満面の笑みを顔に浮かべながらまた「いらっしゃ~い!」と言ってくれた。 俺の生き方がガラリと変わった瞬間だった。
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