act.4 兄弟

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   そして2台でブ~ンと移動。当然、車の中ではちび組は大はしゃぎ。  アクアマリンふくしまの広い駐車場だが、さすがに混み合っている。それでもそれぞれ車を停めるところを見つけて家族が全員合流だ。  そのままゾロゾロと祭り会場まで移動した。 「わぁ賑やかねぇ」  母ちゃんも家族で出掛けられて嬉しそうだ。ひかりは父ちゃんがしっかり抱っこしているが、人混みを見て興奮しているみたいだ。ちょっとジタバタしている。 「みんなでゆっくり見て行きましょう」  母ちゃんと親父を先頭に、祭り会場になっている広場を歩く。ちび組は沢山並んだ露店に早く行きたくてウズウズだ。 「ちゃんと手を繋ぎなさい!」  母ちゃん、それちび組に言ったんだよね。でも反射的なのか前方の拓海が美音に左手を差し出した。嬉しそうにそれにしっかり両手で掴まる美音だ。  それを見ていた夏那がふっと微笑む。 「夏那?」 「ん、美音が嬉しそう」  確かに。  子供の頃から見慣れた情景ではあるけどな、小さな妹が大好きな拓海にくっ付いて歩く風景。 「こっちでもちゃんと仲良くしてるのが見られて良かった」 「拓海が美音を護らない訳がないさ」  あの時からずっと大事な妹だ。 「でも美音には拓海はただのお兄ちゃんじゃないのよ」 「ああ、知ってる」  伊達にあいつらの兄ちゃんを何年もやってないよ。俺も夏那の前に自分の左手を差し出す。 「あら?」 「ほら夏那、母ちゃんが言ってるから」  夏那はクスッと笑って俺の手を取ってくれた。 「じゃあ行きましょうかお兄ちゃん、弟達を追いかけてね」 「ああ」  立ち止まってニコニコ笑いながらこちらを見ている凪紗と真也、そして拓海達を二人で追い掛けた。
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