act.4 兄弟

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   そのまま二人で懐かしい祭りを廻った。  あの頃の小さな俺と夏那の思い出が、会場のそこかしこにあるようで懐かしい。 「夏那、あれ」 「あら」  七色の綿菓子だ。今は珍しくもないが、あの当時は初めて見て夏那が綺麗だと喜んでいた。  それをひとつ買って夏那に持たせた。夏那の笑顔は昔となにも変わらない。  その姿を写真に納めて大事に懐に仕舞った。 「そろそろ戻ってみるか」  集合場所は拓海の友達のあの店だ。 「そうね、みんなお祭りを楽しんだかしら」 「ああ、きっとな」  頷く夏那の手を取って、俺は歩き出した。  
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