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生徒会の3月は忙しすぎる。その原因は、大半が卒業式だ。 生徒会長の仕事は、もう全て、3年生の先輩から受け継いだため、 卒業式の総務は生徒会長が行うことになる。 ちょうど今も、資料整理や、祝辞の原稿などをしている所だ。 『…ん、どしたのー…?』 後ろからぎゅっと抱きしめられ、頬に軽くキスされた。 犯人は、涼珠だ。 「…別に」 『うそつけよー!なに?教えて?』 そのまま何も言わずに、顔を俺の背中で隠しながら抱きついていた。 『照れちゃってんの、かわいー♡』 「…るせ…」 また仕事に取り掛かろうとした。でも、さえぎられた。 「……させて…」 残念ながら聞こえなかった。「もう1回言って」と、促す。 「だからっ、//」 すると、今度は首に手を回して、耳元でさらに小さく呟いた。 「…甘えさせて、ってば…///」 心臓が大きく揺れ動いて、ドキドキが収まらない。 そっと涼珠の顔を見ると、思った通り恥ずかしさで死んでいた。 『…へぇ…』 いつもの楓季と反応が違う。 いつもなら、絶対に♡をつけて言ってくるのに。 まるで、怒っているような…そういえば、今の時期はとても忙しいことに気づいた。 「まって…い、忙しいのは分かってる、から…その…っ!!」 楓季は黙って俺を押し倒した。そして、思いっきりキスをされた。 「っ、んっ///う、あ//、、かっえで…////」 『はぁ…』 うつむきながらため息をつかれると、だんだん怖くなってくる。でも、キスされた余韻で、気持ちよくなってしまう。 「ご、ごめん…もぅ…あんなこと、言わないからっ…仕事、してたの分かってたから、…だから、許して…///」 『許すか、ばか。』 すると、今度は首筋を舐めだした。舐めるというより、口でかぷっと咥えて、舌を使ってくすぐっているみたい。 じゅるっと音がなるたびに、身体がビクッと動いてしまう。 「ねぇっ…お、怒ってんのか…??/////」 『別に…』 「じゃぁ、なんで…こんなこと…」 楓季は、耳元で呟いた。 『…甘えたいって言うから、甘やかしてんだよ』 「で、も…いつもの、お前、らしくねぇ…よ…っ」 すると…やっと微笑んでくれた。 『いつもの、俺が好きなの?』 意地悪で、悪魔みたいで、だけど優しそうな、そんな顔。 「そ、そういう訳じゃ////」 『…でも、さっきみたいな俺に、甘えたくなかったでしょ。』 俺の頭を撫でている楓季が、さっきの奴とは思えないくらい。 「おう…じゃ、じゃぁ、さっきの、なんだったんだよ!」 『ん?あれー?』 また、キスした。 『…あんなにかわいいこと言われたから…イジワルただけ…♡』 ほんっと、嫌な奴だ。 「は、はぁ!?///ば、ばかっ、/////急に、あんなこと…されたら…」 『…嫌われたかと思った…?』 「うん…」 涙が出てくる。安心しきったせいかもしれない。 『俺が…こんなに毎日、好き好き言ってんのに?』 「そ、それは、俺だって、楓季に毎日……」 『ん?なぁに??♡』 絶対コイツ、俺に言わせようとしてる。タチの悪いやつだ。 「そんな、簡単に言わねぇからな////」 すると、楓季は笑いだした。 『あははっ…言わせようとしないからぁ…ったく、』 「っ、ほんとかよ//」 『ほんとほんと…でも、これからもずっ…とさ、』 本日、3回目のキス。俺、まだほっぺに1回しかしていない。 『俺のこと、大好きって、愛してるって思っといてね…』 なんだか、意地悪なのか優しいのか、分からなくなってきた。 でも俺は、そんな楓季が好き。 「…あほ。ちゃんと言えるし、それくらい…//」 『いや、言わなくていい。』 キッパリと断られた。 「は?なんでだよ」 『わかるだろ。涼珠が、俺の真似してそういうこと軽く言ったら、可愛すぎて歯止めきかないんだよ、ってことで、』 楓季は仕事の続きをした、俺は、ひとつ気づいた。 「お前、本当は甘やかすの苦手だな?」 言った瞬間、少しだけ、楓季の耳が赤くなった気がした。
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