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 僕と少女は それから思うままに遊んだ。  追いかけっこやお手玉、 あやとり、だるまさんが転んだ。  いくら遊んでも 時間が進まないかのような、 無限に一瞬が流れ続けるような そんな不思議な空間だった。  少女は昔ながらの 遊びの道具をいくつも持っており、 それらがまるで 新鮮なものかのように 楽しんでいた。  僕もその笑顔に釣られ、 次第に固まっていた心が 解けていくのを感じていた。  上手にあやとりが出来ず、 紐が指の先で絡まってしまう僕を 少女は笑った。
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