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6
ざーっと、
未だ弱まらない雨の音を聞きながら、
僕は鈴についた汚れを落としていた。
水で流しながらよく擦った。
すっかり埃を被って古びてしまった
その鈴が綺麗になるにつれて、
あの時の高揚が
心に戻ってくるような心持ちだった。
綺麗だったこの鈴の音を
思い出しながら無心で洗っているうちに、
汚れが落ち、
鈴はかつての輝きを取り戻し始めた。
タオルで拭き、
光に当てるとその鈴は
誇らしげに金色の光を讃えた。
僕はその様子に満足し、
改めて鈴を振ってみた。
相も変わらず
鈍い音しか出なかったが、
僕にはそれでも良いように思えた。
雨の様子を見に行きがてら、
僕は玄関に向かった。
鍵フックにその鈴をかけ、
ドアを開けた。
夏の熱と雨の湿気の
むわっとした空気が皮膚を撫でた。
雨はまだ止まない。
雨垂れが地面にぶつかり、
激しい音を立てている。
僕はドアを閉め、
部屋へと戻った。
「かくれんぼ」の続き。
ここからは匂いに頼らずともはっきりと思い出せる。
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