「このゾンビは感染する、噛まれてる奴いないよな?」

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「このゾンビは感染する、噛まれてる奴いないよな?」

 顔を青くして咄嗟に怪我を隠すやつがいる率100%。隠すんじゃねえよ、お前が後にゾンビになってみんなを襲うフラグ立ってるだろ、クララより立派に立ってるだろ。  クララ知ってるか? 車椅子で生活してたはずなのに筋力の衰え一切無視して立ったばかりか歩いたスーパーアスリート。あいつ絶対プロテイン飲んで筋トレしてたよな。話がそれた。  ちょっと俺も考える。ここで噛まれている事を指摘したらコイツがタコ殴りになるのは目に見えている。でもなあ、フラグ壊すのが俺の仕事だし、まあいいかこいつがタコ殴りになっても。 「お前何怪我隠してんだよ、噛まれただろ」  俺の指摘に男は慌て始めるが、そうは問屋が卸さない。周囲の人間に問い詰められ、だが男を愛する女が必死に庇い、ゾンビになったら私がとどめをさすから! と涙ながらに訴える。  何かイイ感じになって来てる、え、結構良い話じゃない? あいつらの修正にしてはイイ感じじゃん、と満足して久々に良い気分で物語を去ろうとしたが。 「う。ぐ、があああ!!!」  男をかばっていた女が突然ゾンビになって周囲を襲い始めた。  俺は持っていたショットガンで女の頭を打ち抜く、なんてことはせずムカついたのでショットガンで思いっきり女の頭を引っ叩いた。 「お前も噛まれてんじゃねえかよ!」  俺に襲い掛かって来たのでショットガンで女の頭をぶち抜く。男がひいいと悲鳴を上げて逃げて行った。 「ポジションが変わっただけで結局フラグ通りだ! くそ、最悪だ気分わりい!!」  逃げた男の背中にドロップキックをして俺は物語を去った。
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