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大団円なのにラスト5分あったらCM後イヤミス覚悟
ドラマでエンディングが流れるには少し早いなあと思ったら要注意だ、アニメで言うところのCパートが絶対ある。登場人物たちのその後? 後日談? 違う違う。
イヤミスフラグだ。
犯人捕まって大団円、と思いきや他の犯人を思わせる人影、メッセージ、犯人と思ってたやつが殺される。せっかく解決良かったと思っている最終回九十分拡大版の、八十分を見事に無駄にしてくれるこの仕打ち。
視聴者の八十分返せよ、時給で考えてみろ。千円弱が無駄にされてんだぞ。視聴者が千人いたら百万の損失だ。続きは映画で、も絶対許さん。だったら最初から映画でやれ。台無しにするしかない。どうしてくれようか。あと五分。
逆光で見えない人物が、物語の重要人物に後ろから近づく。手には凶器、気づかれていない。
ブアアアアアアアアアア!!!
辺りに響くのはブブゼラ。南アフリカの金管楽器。クソデカイ音が鳴る。ターゲットはビクリと体を震わせ、真犯人は飛び跳ねる勢いで体がビクンとした。振り返ったターゲットは犯人の顔を見て驚く。
「××××!!」
ブアアアアアアアアアアア!!
うん、ブブゼラで全然聞こえねえわ。しかもターゲット、犯人見ながらもめっちゃチラチラこっち見てる。何だこいつって顔で超見てる。
ブアアアアアアアアアアアアアア!!
「××!? ×××!!」
大きな口パクをしてくれているがわからん。真犯人は相変わらず逆光で見えないけど、耳を塞ぎながら何かを言ってるが。
「×××、××……××」
ブアアアアアアアアアアアア!
当然聞こえない。クソやかましい音の中、ある意味無声劇のようなやり取りが繰り広げられ。顔を見れらた犯人は相手を殺すわけだが(結局殺すんかい)ターゲットは最後の力を振り絞って血文字でダイイングメッセージを残す。
“ブブゼラ”
それを見た俺と真犯人は同時に叫んだ。
「違ぇだろ!!!」
その後犯人はせっせと意味深な証拠をまき散らし、「またお会いしましょう」というメッセージカードを添えて出て行った。俺はというと、カードの傍にブブゼラを置いてカードに「サッカーワールドカップで」と付け加えておいた。
どんな映画になるのか楽しみすぎる。ざまあみろ。俺は鼻歌交じりで物語を後にしたが、その後映画はなんかいい感じにワールドカップを舞台にしたミステリーに仕上がっていて興行収入爆上がりだった。ついでにサッカーブームも起きた。
物凄くモヤっとして俺は次の物語に行くことにした。
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