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「出口だ!」
謎の島、謎の建物あるある閉じ込められてようやく見つけた出口と思われる扉に走っていくやつ。
「絶対トラップがあるか崖だから行くんじゃねえ!」
「え、なに?」
すごい速さで走っていた男はカチっと何かを踏んで飛んできた矢に頭が刺さって死んだ。
叫んで止めただけじゃ人の話を聞かないっていう修正のされ方があるかなぁと思ったけど、まさかのよく聞こえなかったパターン。なんか俺の声がちっちゃかったみたいな誤解を招きそうだが、後ろを走っていた奴ら全員に聞こえるくらいにはデケエ声で叫んでいる。どんだけ耳が悪い設定にされたんだあの男。
修正の仕方がえぐい。もうちょっと登場人物をいたわってやれよ。しかも他のキャラが我先にと出口に向かって走っていく。
そしてそのまま、仕上げに粉チーズをふりかけますとでも言うかのように全員崖からぱらぱらと落ちていく。扉の向こうは崖ですありがとうございました。下が海で大した高さじゃないから死んでないようだが、俺はブチ切れる。
「人の話聞いてねえじゃねえか!!」
耳悪いどころじゃねえ! 話の内容理解してねえしなんなら右から左に通り過ぎてやがる!
「登場人物全員を馬鹿に修正するんじゃねえよ!」
助けてー、と俺に向かって手を振る奴らを睨みつけ、俺は物語を後にした。
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