フラグをへし折れ!

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フラグをへし折れ!

 世の中にはフラグというものがある。このパターンになったらこういう展開になる、というお決まりというやつだ。これらは主に漫画や小説、ドラマ、様々な「物語」の舞台で起こる。  それを、へし折らなければいけないのが俺の仕事だ。  フラグを折って作品を台無しにする大悪党、それが俺。  でもそれだって俺にも事情がある。ただの子悪党だったのに、自分たちの行いを正当化するためにあいつらに捕まって大悪党に仕立てられてしまった。  あいつら。物語保管組織。  フラグをへし折り、あいつらがそれを修正する、自分たちの行い尊い、俺は大悪党。そんな図式を延々繰り返しているのだ。そうやって少しずつ物語を都合よく、おさまりが良いように修正していく。どっちが悪党だ。  俺には一日一個フラグを折らないといけない術のようなものがかけられている。小説に、漫画に、ドラマに、様々な物語に俺は侵入してフラグをへし折る。フラグ、というか「あるある」をへし折ると言うべきか。  いやもう本当、いろいろあるんだよフラグとあるある。
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