【3:キラキラ美夢の夢を叶えるスッキリキレイ】

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 この時間、高木さん以外の販促メンバーは全員外出をしていた。珍しく小野田さんも朝から得意先に向かっている。ホワイトボードを見ると戻りが一番早いのは目黒さんで『S文具 15』とある。目黒さんが時間通りならあと二時間は高木さんと二人きりだ。ちょっぴり気が重い。 「普通か……」  普通ですと頷く。けれど高木さんはその返事が不満なのか、むう、と唸りしかつめらしい顔で腕を組んだ。 (そこに立たれると圧迫感スゴイんですけど)  これは何か解決しないと戻って行かないパターンだ。くるりと椅子を回し、その険しい顔を見上げる。 「高木さんもやりたいんですか? インスタ」  高い位置にある顔は片眉を吊り上げた。 「いや。そう言う訳じゃない」 「じゃあ何なんですか。数字入力しているときに声を掛けられると、私、間違いますよ」  偉そうに顎を持ち上げれば「どんな脅しだよ」と呆れた声が降ってきた。 「俺は気乗りしないんだが……」  そう呟くと諦めたのか大きく息を吐いて、隣の小野田さんの椅子を引いて腰掛ける。一瞬にして視線の高さが揃った。 「佐々木部長が……カミヤマノートでツイッターとかインスタグラムをやろうと言い出して」 「わ! ついにやるんですか?」 「マーシュとか人気なんだろう」 「はい。私、フォローしてますよ」
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