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瞳は、男の機嫌を心配しながらキッチンに入ったが、杞憂に終わった。
「おはよう、瞳ちゃん」
と、男のほうからあいさつをしてきたのだ。その表情は、いたって穏やかで誠実そうだった。
「あ・・・お、おはようございます・・・」
瞳は、そそさくとあいさつを返すと、席に着いた。
朝食は、レトルトカレーにゆで卵、それに、残り物の料理全部だった。
瞳は、残り物以外、すべて平らげた。昨日は、極力、男の手製の料理を口に入れないようにしていたので、空腹は空腹だった。
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