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 その日・・・何があった?  瞳は、眉間に皺を寄せた。軽い頭痛を感じる。  それだけでなく、全身が全体的に重い。鈍痛を感じる個所もある。  自分の誕生日、何があった?  数秒ぼんやりしたあと、唐突にすべてを思い出した。  瞳は、かっと目を見開いた。  全身の毛穴から汗が噴き出す。  考えるより先に、がばりと上半身を起こした。  と同時に、部屋の風景が視界に飛び込んできた。  小奇麗な部屋だった。白い壁に、茶色い木目の調度品。壁には、ブルーやグリーンを基調とした風景画が三つ飾られている。シーリングファンの回る天井は、平均よりも高い。  衛生的で、落ち着いた室内。  だが、瞳は、何か違和感を覚えた。  そして、それが何なのか、すぐに分かった。
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