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この部屋には、生活感がまるでないのだ。雑誌やCD、テーブルの上のお菓子、日常使いのバッグや、花瓶に差された花。そういった類のものがいっさいない。カバー付きのボックスティッシュやゴミ箱はあったが、なぜかそれらには、家庭的ではないよそ行きの雰囲気があった。調度品や絵画から小物まで、すべてが何かの型にはめられているような感じがする。
そういえば。
瞳は、ふと気づいて辺りを見回した。
この部屋には、テレビもない。というか、エアコン以外の家電製品がない。もし仮に、瞳の誕生日からあまり日にちが経っておらず、ここが日本国内であれば、今は真夏に違いないので、空調が効いているのはありがたかった。
だが、総合的に、怪しすぎる。
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