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瞳は、うつむいた。着ているワンピースは、白地に深緑色のペイズリー柄。瞳の服でないのは明らかだった。サイズが大きくてぶかぶかだし、デザイン的にも瞳は絶対にこんなものを選ばない。なにしろ、婆臭すぎる。
そして・・・今頃気付いたが・・・下着は、いっさい身に着けていなかった。足は素足だ。
瞳は、自分の腕を見た。ところどころに砂が張り付いている。砂は乾燥しきっており、触るとすぐに皮膚から落ちた。また、ひどくはないが、切り傷や痣も散見された。
次に、ワンピースの胸元を指で引っ張って、自分の胸や腹を覗き込んだ。腹部が若干赤くなっており、打撲をした時のような痛みがあった。
瞳は、舌打ちした。やはり、落ちた時に強打したのだ。
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