第14話 そして第2次攻撃

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第14話 そして第2次攻撃

F2戦闘機の攻撃で空母部隊と対空レーダーを持つピケット駆逐艦の多く を失っていた米海軍第五艦隊 前衛部隊に二の矢が迫っていた。 ジャミングによりわずかなレーダーの目も失っていた米艦隊に沖縄より 出撃してきた日本海軍の 艦上攻撃機「流星」「天山」 艦上爆撃機「彗星」 陸上攻撃機「銀河」 合計42機が迫っていた。 更に陸軍の2つの戦隊より四式戦闘機が200Kg反跳爆弾を搭載して 28機がこれに続いた。 陸軍機は戦闘機も爆撃を行うので元々爆弾を搭載し投弾する仕掛けが 装備されている。 搭載されている反跳爆弾というのは洋上で使う専用爆弾で、目標まで 水平飛行し、投弾すると水面を跳ねながら目標に命中する爆弾である。 爆弾を魚雷のように使う安価な攻撃方法で投弾高度さえ間違えなければ 命中率の高い攻撃が出来る。 米艦隊上空でジャミング電波を出すグローバルホークから艦隊の位置や 艦種が送られてきており、それらを元に沖縄の本部では陸海軍共同作戦 として攻撃隊の各機に細かな指示を送っていた。 戦艦に対する攻撃は行われず、巡洋艦、駆逐艦、そして輸送艦などに 攻撃が集中した。 要するに撃沈できる可能性が高い船舶を狙い撃ちする作戦だった。 ハリネズミの様に対空火器を装備して沖縄特攻を行った戦艦大和でも 実際に撃墜できた敵機は10機足らずだったそうで、艦艇が航空攻撃を 防御するには現代のような誘導火器が無いとなかなか難しい。 小型艦艇は対空能力も劣るので殺到する日本機を防ぐ事はできなかった。 航空支援が壊滅していたので米海軍艦艇はここで更なる被害を受ける事に なった。 米海軍大将スプルーアンスはこの事態に緊急招集をかけ、第五艦隊の 主要メンバーによる分析が行われた。 謎の攻撃が夜間である事。そしてレーダーで探知が出来ていない事。 更に高速に何かが正確に命中している事から導き出されたものは ・日本軍が何らかの方法でレーダー妨害している ・ロケット推進の航空機のようなもので攻撃している ・正確に着弾する事から有人操縦ロケットの可能性がある (特攻兵器の桜花は特攻作戦中止で今回の戦いでは登場していない) ・暗闇でも見える米軍でも開発中であった暗視装置が使われている 可能性がある 当時の常識と知識から導き出された結果である。 米軍は被害を受けると必ず何らかの対策を考える。このあたりは当時の 日本軍も少しは見習ってほしいところであるが、米海軍内では様々な 対応策が提案された。 それらは第五艦隊の各艦に伝達され、新しく必要な装置は本国に 大至急の手配が行われた。
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