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「圭太、私サンダルが…っ」
脱いでないよって言いたいのに、進むスピードが速すぎて舌を噛みそうになった。
階段を上る途中で自然と脱げたサンダルが、どこかに転がっていく音がする。
「圭…んぅっ…」
ドサッという音がするぐらい、勢いよくベッドに下ろされたかと思ったら、間髪入れずに圭太が覆いかぶさってくる。
急くようなキスが、圭太の余裕の無さを物語っているみたいだ。
「はあ…本当余裕ねえから…もし乱暴だと思ったら止めて」
「んっ…ね、じゃあ待って…」
「待つのは無理」
至る所にキスをしながら、服が脱がされていく。
心構えなんてする暇もなく、どんどん暴かれていくのが堪らなく恥ずかしい。
「俺のっていう印付けるから」
私が何をと言う間も無く、鎖骨辺りに吸い付かれた。
そのまま降りていく唇が胸に辿り着く。
「圭太…あっ…そんなにしたらっ…」
自分の声がどんどん甘くなっていくのが恥ずかしくて、手で口元を押さえる。
「瑞希、手退けろ」
そんなの無理。
圭太に聞かれるのが、恥ずかしくて堪らない。
「声聞かせろよ。俺で瑞希がどんな風になるのか知りたい。…全部教えてくれるんだろ?」
そう言われたら、手を外さないわけにはいかなくて、ゆっくりと腕を体の横に下ろした。
「ん…いい子。…恥ずかしい?」
「恥ずかしいに決まってるでしょ…」
「…可愛い」
「ひゃっ…」
「ここ気持ちいいんだ?」
胸の先端を指で弄られて、我慢できない声が漏れ出る。
「やっ…違っ…」
「違わないだろ。素直に言ってみ?」
「んっ…気持ちいい…」
「…やべえな。バカみたいに可愛い。言わせたの俺だけど」
可愛いなんて今まで圭太に言われた事無かったけど、誰に言われた時よりも嬉しい。
「下はどうなってんの?」
「あっ…待って…っ」
「…あ~あ、何これ。すご…」
恥ずかし過ぎて消えたい。
「俺でこんなになってるとか…本当可愛すぎてやばい」
「ひゃうっ…」
「あ~…もう余裕無さすぎて、頭ボーっとしてきた」
「んっ…やっ…」
「なあ、瑞希…もうここ入っていい?」
「あっ…んあっ…」
「瑞希、答えて。入っていい?」
圭太に何を言われているのか、全然頭に入ってこない。
「…答えられないぐらい気持ちいい?」
「ひゃあっ!」
耳元で急に囁かれて、体が大きく震える。
「本当…こんなの見た男が他に居るかと思うと、気がおかしくなりそうなんだけど」
圭太の指が離れて、少しづつ落ち着いて来る。
「こんなの…なった事無い…」
「え…」
今までは、どこか冷静な自分が常にいた。
こんな風に、殆ど何も考えられなくなった事なんて無い。
「はあ~…」
「どうしたの…?」
「瑞希」
「ん…?」
「寝れないと思っといて」
寝れない…とは?
まさかね…
「冗談…」
「本気」
圭太の目が、ちょっと据わってる様に見えて、本当に本気なのかもしれないと思わせる。
「冗談だと思ってるなら、まあそれでもいいけど。今から証明してやるから」
「そんなの…んんっ…」
続く言葉は、圭太のキスで言えなかった。
証明なんてされたら身が持たないのに、どんどん深くなっていくキス。
それと同時に、圭太が足の間に体を滑り込ませてくる。
「…瑞希、いいか?」
「…うん」
1度大きく息を吐いて、ゆっくりと圭太が中に入ってくる。
「んっ…!」
「あ~…これ本当抑えらんねえかも…」
ボソッと呟いたのが聞こえたかと思うと、どんどん動きが激しくなっていく。
「はぁっ…瑞希、好きだ…」
「圭太っ…」
「愛してる…っ」
耳元で何度も何度も、好きと愛してるを繰り返し囁かれて、初めて自分の心が満たされるのを感じた。
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