雨、空、つなぐ

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雨、空、つなぐ

 その女の子は噂通り、夏の夕立とともに現れた。 「……本当に待つの?」 「当たり前だろ。ちょうど夕方にゲリラ豪雨の予報だったし、条件ぴったりじゃん」 「場所はここでいいんだよな?」 「商店街を抜けて第一中(がっこう)に向かう途中の交差点ったらここしかないんだから、間違いないって」  僕の隣で二人のクラスメートがお互いを押したりつついたりしてる。  怖がってるような、わくわくしてるような、変な感じだ。  当然だ。だってもしかしたら、幽霊に会っちゃうかもしれないんだから。  僕も緊張して、制服のシャツの袖を掴んだ。 「なあ、渡井(わたい)は幽霊って信じる?」 「え?」  慌てて袖から手を離した。大きすぎる半袖の口からどんよりした空気が入ってくる。 「……今日、見れたら信じる、かな」 「見れたら信じるのは当然だろ」 「バカっぽい答えだなー」  僕は少しムッとしてそっぽを向いた。
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