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ばいばい、みっちゃん
「ほらほら、みっちゃん。そろそろお母さんがお迎えに来るよ。帰る支度をしようね」
「えー? もうこんな時間? まだけいちゃんと遊んでいたいのに」
「だめだよ、もうすぐ夕飯だから私の家族が帰ってくるんだから」
「おはじき遊び、まだやりたかったんだけどなぁ」
「大丈夫、またできるよ。それまでこのおはじきは大切に取っておくからね」
「うーん、わかった! ぜったいまたやるんだからね! また遊びに来るからね!」
「いんや、今度は私がそっちへ遊びに行くよ。いつも悪いからね。和彦さんは元気かい?」
「うん! 和彦君もあちこちまわってからけいちゃんのとこに来るみたいだよ!」
「そうかいそうかい」
「ほんとはナイショだけどね、和彦君けいちゃんのこと大好きだって言ってたよ。あった時、知らんぷりしててね!」
「それは嬉しいねぇ。わかったよ、知らないふりをしておくね。それからみっちゃん、わざわざ私が行くのを待たなくてもいいよ。私のために動かないでいるのは大変だから」
「いいの、私はずっとけいちゃんのこと待ってる。だからゆっくりおいでね」
「……ありがとう、こんな皺だらけのばぁの所にいつも来てくれて」
「そんなこと言わないで。しわくちゃな顔も手もステキだよ」
「ありがとう。いつかみっちゃんの所に行ったら、私の思い出話をたくさん聞いておくれ」
「うん! わかった! 楽しみに待っているからね!」
「あ、お母さんが来たよ。行かなくちゃ」
「ほんとだ! お母ちゃんが来てくれた!」
「それじゃあ……ばいばい、みっちゃん」
「またねけいちゃん! ばいばぁい!」
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