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案の定というか身体中が、あちこち痒い。しかし小道なのだから虫にさされても仕方がないと一瞬大人の私がたしなめる。公園のブランコの後ろの草むらに足を入れる。周りは子供連れのお母さんや子供達が元気いっぱい走り回っている。1人で草むらに入っていく私は怪しい人なのか?と、またもや大人の私が顔を出すが『いくよ! 』と目を輝かせた子供のわたしが手を引っ張るのだった。
しゃがみこんで目を凝らしていると、フェンスの側に一輪のたんぽぽが見えた。嬉しくなって駆け寄ると、またその横にも、さらに奥にも咲いている。その中の二つを摘んで家に持ち帰った。早速、水の入ったコップに入れ出窓に置いた。
「綿帽子になったら、外に飛ばすからお願い! その姿を私に見せて 」
子供の頃の私と大人の私は『たんぽぽ』にお願いをした。
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