遊歩道の小屋

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すると高山が突然振り返り、小屋に向かって歩き出した。 「おい、どうした」 返事はない。 高山はそのまま小屋に入った。 俺が小屋に入ると高山は床に座っていた。 「おい、いったいどうしたんだ」 やはり返事はない。 高山は目を開けてはいるが、どこを見ているのかはわからなかった。 少なくとも俺を見ているわけではない。 そして気づけば、高山はなにかをぶつぶつとつぶやいている。 俺が高山の肩に手をかけようとした時、高山の背後から何かが出てきた。 顔だ。 青白い女の顔だけが、高山の肩の上あたりに現れたのだ。 そしてその顔は不気味に笑いながら高山を見て、俺を見た。        終
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