3章

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獣人といいても、いろいろ種類がある。動物の種類だけ獣人の種類もあるといわれている。 いたのは、キツネの獣人だ。 「誰だ。守護者か?」 「そうだ。俺は、守護者だぜ。」 「アル、守護者って何?」 「お、そっちの奴は知らないのか。」 「守護者は国境付近にいて入っていく獣人以外のやつを審査してる。審査に通ったら入れるがふさわしくないと思ったら追い出す。それが守護者だ。」 「それともう1つ。守護者は別名獣王候補だ。」 「そうなのか。」 「アルも知らなかったの?」 意外。アルは、何でも知ってそうなのに。 「獣人族以外は知らないはずだぜ。物知りでもな。」 「そうなんだ。」 「で、誰だ。お前。」 「おっと、言ってなかったか?そりゃ失礼。俺は、ダイアナ・アンビシオン。見ての通り狐の獣人だぜ。よろしくなお二人さん。」 「僕はレイだよ。よろしく。ダイアナさん。」 「アルフレッドだ。それで、アンビシオン、審査とは何をする。」 「苗字は好きじゃないんだ。だから名前な。でも長いから、ダイでいいぜ。」 「アンビシオン」 「ダイ。」 「アンビ…」 「ダイ。」 「ダイアナ。…」 「ダイ。」 「ダイア…」 「ダイ。」 「……ダイ。」 「よし!」 アルは苗字呼びをあきらめなかった。 でも、ダイアナ…ダイのほうが諦めが悪いようだな。 「ダイ、審査はどうなんだ?」 「え、じゃあ、レイは剣を振ってみろ。アルは、そうだな~。あそこの大きな岩を2,3発で割るか粉々にしてみろ。」 「おい!お前に愛称呼びを許可した覚えはないぞ!」 「いいじゃんか。レイだって呼んでるんだし。」 「お前と、レイは違う!」 「まあまあ、でも僕だけそんなに簡単でいいのかな?」 「それは大丈夫。レイが弱いのわかってるし。だから、アルのほうが大変になってるんだ。アルができれば2人とも入れてやるよ。」 「弱い。……その通りだけどもう少し言い方を考えてくれてもいいじゃないかな…。」 「それに、レイはどこがダメなのか知りたくなったし。」 ダイ、聞いてない。 「お前と対決じゃダメなのか?そっちのほうが実力も図れるだろ。」 「えっ!アルってば、女を傷つけるのがお好きで?最低だな。」 「誰がだ!それに女じゃないだろ!お前は。」 「何言ってんの?俺は正真正銘女だぜ。」 「そうそ………えええええ!!!本当に!!??」 「本当だぜ。」 「まじか…」 「本当の本当に?」 「だから、本当なんだって。」 信じられない。 「本当だと思うか?レイ。」 「冗談だと思いたい。」 「一人称俺だぞ。」 「でも、もし本当だったら。」 「獣王候補だぞ。」 「でも……」 「こそこそ話終わったー?暇ー。」 「ごめん。ダイさん。」 「さんは入らない。同年代くらいだろ。たぶん。」 「わ、分かった。」 「ダイ。始めないのか。」 「何をだ?」 「審査をだ!」 「!なるほど。ありがとな。じゃあアルからな。」 「は~~。わかった。」 そう言ったアルは、岩の前に立った。 そういえば、アルの武器って何だろう。暗殺者の魔力を持ってるって聞いたけど、何の武器を得意としてるか聞いたことないな。今知れるかな? お、暗器だ。久しぶりに見たかも。2,3年ぶり? やっぱり暗器を使うんだ。でも、どうやって岩を割るんだろう? アルは、手に持った暗器を岩に向かって思いっきり突き刺した。一発でひびが入ったよ。すごい。 暗器を引き抜いたアルは、ひびが入っているところに重なるように暗器で岩を切った。 すると、岩は割れた。まさか本当に割れるとは思わなかった。 「ほ~。やるね。よし!合格!」 「当たり前だ。」 「でも、俺のほうが強いな。」 ダイは、好戦的な顔であるに言った。 「どういうことだ。」 「こういうこと。」 ダイは、アルが割った岩より大きい岩の前に立ち、一発岩を拳で殴った。 すると岩は、粉々になった。 「一発で…」 「すごい……。」 「ほらな。俺のほうが強いだろ。」
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