1人が本棚に入れています
本棚に追加
朝だ。日常が変わる日。大切な日になるだろう日。それが始まる。
「おはよう。依頼に行こう!」
「おはよう。ああ、行こう。」
ー洞窟前ー
き、緊張してきた。
「緊張するね。レイ。」
「そうだな。クルス。この依頼終わったら話があるんだ。」
「今じゃダメなんだな。わかった。後で。」
今言わないほうがよかったか?でも行っとかないとすぐ帰っていくからな。帰ったら2人きりになかなか慣れないからな。
よし、今は依頼に集中しないと。
「暗いね。」
「そうだね。」
そっから無言で進んでいった。2人とも警戒していたからだ。
音が響いている。長く続いていることがわかる。もし何かいるのならば、しゃべるだけで居ることがばれるということになる。
2人とも慎重に進んでいった。
進んでいったら、ヒト型と出会った。
「ゴ、ゴブリン!」
そうゴブリンだ。
「クルス。いける?」
「いけるよ。よし、始めよう!」
そう言って戦闘が始まった。
まずは、小手調べ。
ゴブリンとの戦闘は初めてだから慎重に。首を狙おう。中てる。
・・・外した。皮膚も固い!
「任せろ!」
お腹に1発入った!
拳闘士は魔力をまとった拳で戦う。弱所に入ると1発で死亡してしまう。
でも固い。まだ生きてる。でもよろけた。このくらい弱っていたら僕でも、
いける。
「やあーーー!」
切れた!やった!とどめさせた。初めて。役立たずじゃない。
「やったな!」
「やったよ!できたよ!」
2人はしばらくの間喜んでいた。洞窟調査中ということを忘れて。
「進もうか。」
「え~、もう少ししてからでも…」
「ダメ。依頼中なんだから。」
「レイも忘れてたくせに。」
「うるさい。」
どんどん進んでいった。そこから、ゴブリンが出てきたりしながら進んだ。ゴブリンは、1対2体ずつくらいしか一気に出てこなかったから何とか対応できていた。だが、疲労はどんどんたまっていく。
しかし、2人は勝利の喜びからか、疲労に気づかなかった。それが致命的なことにつながるとは知らず、連勝中だからか2人は油断していた。
「いけるな。余裕余裕♪」
「そうだな。」
いつもはそこで「余裕してる時こそ緊張感をもって」と注意してくるのにしていない。つまり、レイも浮かれているのである。
進んでいくと扉の前に来た。ボスがいそうな扉の前に。
此処で最後だと思う。
「行こう。」
普通は引き返すところ。でも今日は行きたい。
「うん。行こう。」
扉を開けた。
2人で一緒に入った。
クルスと一緒だと何でもできそうな気がしてきた。
だから引き返したくなかった。
2人とも部屋に入った途端扉はしまった。これで逃げれなくなったということだ。部屋の壁沿いに一定間隔で置いてあるたいまつに火がともしていく。暗かったのが明るくなっていく。部屋の様子が見えるようになってきた。
だが、影があった。
そこにいたのは……
キングゴブリン。
最初のコメントを投稿しよう!