2章

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「で何で見に行くってことにしたのさ。」 それは、 「言ったろ?信じたいから見に行く。ついてきて案内してくれるよな?」 「わかった。でもマントは着てけ。それで顔隠しとけばいいだろ。」 「了解。」 「後は、これをすれば完成。」 何これ。魔力が僕の体を包んでいる? 「何したの?」 「俺の魔力でレイをつつんだ。そうしていれば魔族の魔力に見える。人間の匂いは誤魔化せるからな。」 「魔力は人それぞれで何もしなくてもいいんじゃないの?」 「それは聞いた限り人間族だけだ。魔族は暗殺者の魔力を持って生まれる。例外は他種族との混ざり者だけだ。その混ざり者も、大人になれば町に降りてくることはない。そもそも、混ざり者もなかなかいない。だから、誤魔化さなきゃいけない。」 そうなんだ。もしかして、 「アルは、混ざり者と会ったことあるの?」 「……ある。小さいころに少しだけ。」 「そっか。」 何かあったのかな。知りたい。でも知れる中じゃない。聞けない。魔族領にいる間で教えてくれるといいな。 ー門前ー 「ついたぞ。ここが町の入り口だ。いいか、絶対に顔を隠してろよ。」 「わかってる。」 門があるのに扉は開いてる。兵士みたいなのもいない。何で? 「なあ、アル。何で門なのに誰もいないんだ?」 「?いつもいないぞ。来たところで一般人でも殺せる、なんて考えなんだよ。傲慢だろ?」 「傲慢は人魚族の特徴だろ。でも、そんな考えじゃ傲慢だな。」 「だろ。…行くぞ。準備はいいな。」 「おう!!」 ま、町だ。普通の感じの町だ。人間族の町と同じ感じだ。 もっと違う感じをイメージしてた。やっぱり教科書に載ってるのは全て信じるべきじゃないね。 「レイ…レイ。…レイ!」 「!なに。どうしたの?」 「どうしたのはこっちのセリフだ!大丈夫か?」 「大丈夫。イメージしてたのと結構違ってたから驚いただけだから。」 「そうか。…あそこ。此処に滞在するならあそこが一番だ。」 「滞在していいの?」 「しないのか?なら、帰るか。」 「するから!だって見たから帰れって言われる覚悟あったから。」 まあ、帰るつもりないけど。 「そういわれて帰るなら言ってる。」 「この短時間でよく僕のことわかってるね。」 すごい。なんかクルスと居るみたい。此処にいたらもっと楽しいはずなのに。 ・・・涙出てきそう。 切り替えよう!じゃなきゃ泣いちゃう!今は、魔族の町。泣くのは後で。 「じゃあ、そこの宿屋に行こう。」 そう言ったレイは返事を聞かずに行った。 追いかけてアルも宿屋に来ていた。2人は隣の部屋で休んでいた。 宿屋で休んでいた2人を見る影が1つ。
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