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「で何で見に行くってことにしたのさ。」
それは、
「言ったろ?信じたいから見に行く。ついてきて案内してくれるよな?」
「わかった。でもマントは着てけ。それで顔隠しとけばいいだろ。」
「了解。」
「後は、これをすれば完成。」
何これ。魔力が僕の体を包んでいる?
「何したの?」
「俺の魔力でレイをつつんだ。そうしていれば魔族の魔力に見える。人間の匂いは誤魔化せるからな。」
「魔力は人それぞれで何もしなくてもいいんじゃないの?」
「それは聞いた限り人間族だけだ。魔族は暗殺者の魔力を持って生まれる。例外は他種族との混ざり者だけだ。その混ざり者も、大人になれば町に降りてくることはない。そもそも、混ざり者もなかなかいない。だから、誤魔化さなきゃいけない。」
そうなんだ。もしかして、
「アルは、混ざり者と会ったことあるの?」
「……ある。小さいころに少しだけ。」
「そっか。」
何かあったのかな。知りたい。でも知れる中じゃない。聞けない。魔族領にいる間で教えてくれるといいな。
ー門前ー
「ついたぞ。ここが町の入り口だ。いいか、絶対に顔を隠してろよ。」
「わかってる。」
門があるのに扉は開いてる。兵士みたいなのもいない。何で?
「なあ、アル。何で門なのに誰もいないんだ?」
「?いつもいないぞ。来たところで一般人でも殺せる、なんて考えなんだよ。傲慢だろ?」
「傲慢は人魚族の特徴だろ。でも、そんな考えじゃ傲慢だな。」
「だろ。…行くぞ。準備はいいな。」
「おう!!」
ま、町だ。普通の感じの町だ。人間族の町と同じ感じだ。
もっと違う感じをイメージしてた。やっぱり教科書に載ってるのは全て信じるべきじゃないね。
「レイ…レイ。…レイ!」
「!なに。どうしたの?」
「どうしたのはこっちのセリフだ!大丈夫か?」
「大丈夫。イメージしてたのと結構違ってたから驚いただけだから。」
「そうか。…あそこ。此処に滞在するならあそこが一番だ。」
「滞在していいの?」
「しないのか?なら、帰るか。」
「するから!だって見たから帰れって言われる覚悟あったから。」
まあ、帰るつもりないけど。
「そういわれて帰るなら言ってる。」
「この短時間でよく僕のことわかってるね。」
すごい。なんかクルスと居るみたい。此処にいたらもっと楽しいはずなのに。
・・・涙出てきそう。
切り替えよう!じゃなきゃ泣いちゃう!今は、魔族の町。泣くのは後で。
「じゃあ、そこの宿屋に行こう。」
そう言ったレイは返事を聞かずに行った。
追いかけてアルも宿屋に来ていた。2人は隣の部屋で休んでいた。
宿屋で休んでいた2人を見る影が1つ。
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